2007年 12月 18日
研究室移転のお知らせ
仕事が立て込んでいた上に研究室移転の準備に明け暮れて更新ができませんでした。
東京を拠点として始めましたが、縁あって関西(京都)に研究室を移すことにしました。といっても東京のお仕事も引き続きお引き受けいたしますので、ご依頼お待ちしております。東京のみならず全国どこの地図でも作成いたしますので、ご興味のある方はどんどんご連絡くださいませ。
独自の活動としては、しばらくは外国人向けの京都マップの作成などを考えております。また、京都バス路線図作成、京都お散歩ガイド第二弾など京都関連のマップ作成を中心に関西のマップを作っていこうかなと思います。
こんなところが面白いとか、こんな地図があったらいいのになあとか、ご意見・アドバイスをお待ちしております。
引越作業のため、20日、21日は動けませんが、年内はぎりぎりまで活動いたしますので何かありましたらウェブサイトよりご連絡ください。
引き続きよろしくお願いいたします。
2007年 12月 18日
ちかごろの研究室
このごろ地図部長(室長?)が多忙なため、代わりに研究員が更新することになりました。
(研究員は部長よりひまで筆マメなのです)
「マップデザイン研究室」をはじめたのは11月のころ。そろそろ最初にいただいたお仕事がご紹介できそう=発売間近になってきました。一番最初は、年末発売の京都の情報誌になりそう。発売されたら、このブログでもご報告したいと思います。
ウェブのアクセスマップもいくつか作らせていただきました。もうすでに掲載されているけれど、どのウェブサイトに掲載されているかはナイショなんです。もしかしたら気づかないうちに、ご覧になっている人もいるかもしれません。自分たちの仕事が、知らないうちに、誰かの役に立っているかもしれないと思うとわくわくします。どうか「見やすいね」なんていわれていますように!
来年早々には、マップデザイン研究室をあげてお仕事させていただいた雑誌が発売されます。
関わった一つ一つの仕事をきちんとした成果にして、来年からの活動の幅を広げていきたいと思います。
それではまた。
(研究員1号)
2007年 11月 20日
雑誌における地図
マップデザイン研修室を始めて、いくつかの出版社さんや編集プロダクションの方々とお話をする機会をいただき、雑誌や書籍(いわゆる地図本)に掲載する地図についてお話をさせていただきました。みなさんお忙しいところ、お時間をいただきまして本当にありがとうございました。今後の活動の方向を考えるよい機会となり、大変勉強になりました。
雑誌や書籍の中に入っている地図は、いろいろな意味があると思われます。その地図を片手に読者の方が実際にその場所に行くこともあると思います。また、誌面の一部として読者を楽しませる目的もあると思います。限られた誌面の中では、地図のスペースはとても小さくなりがちです。地図をメインとする特集というのは、やはりまだ少ないように思われます。それは、やはり編集をされる方と密接に打ち合わせをして地図をデザインできるデザイナーさんが少ないことや、地図にある程度の時間をかけて作成することができない制作現場の現状などがあるのではないかと思いました。
最近、いろいろな出版社さんから地図本がたくさん出版されるようになり、僕としてはとてもうれしいかぎりです。雑誌の一部としての地図でも、読者の方を楽しませて、その場所に行ってみたいと思わせ、かつ実際にその場所へ行った際も便利で、その旅行や外出が楽しくなるような地図を作ることで、これからいろいろとお手伝いができればいいなと思います。
雑誌は、基本的に読み終わったら捨ててしまうことが多いと思います。情報はどんどん新しくなっていくのでそれは仕方ないことだと思いますが、ひとつでも多く「とっておきたい」と思いたくなるような地図を作ることができたらと考えています。
2007年 11月 13日
海岸線をなぞる
最初に、地図をトレスした場所は、イスタンブール。ボスポラス海峡のある街。おぼえたてのペジェ曲線で、試行錯誤しながら、イスタンブールの海岸線をトレスした。その後も、様々な国や地域の海岸線をトレスした。今も日本のある島の地図をつくっているので、その海岸線を昨日トレスした。
街の地図でたくさんの道をトレスすることよりも、海岸線をトレスする作業はとても楽しい。もちろんその海岸線を歩いているような気分になるということはないのだけれど(そうなったら楽しいだろうなあ)。どんなところだろうと想像しながらトレスしていく。オーストラリアの南海岸線をトレスしたときには、なぜか「すごく楽しい」と感じた記憶がある。みなさんも機会があればやってみてください、と言いたいところであるが(そんな機会はないですよね)。
難しいところは、ただ実際の地図をできるだけ正確にトレスすればいいというものではないところ。仕上がりのサイズ(印刷されるサイズ)を考えないで細かくトレスしてしまうと、たいへんなことになる。あのフィヨルドで有名な北欧の海岸線をかなり正確にトレスしてしまい、仕上がりサイズに縮小したところ、何が何だかわからなくなってしまったことがある。そういう場合はある程度省略する必要がある。また、大きく使う場合は、かなり細かくトレスしないと間抜けな感じになってしまう。
単純なようで、単純でないところが面白いのかもしれない。
2007年 11月 10日
マップセンスとデザインセンス
今回作成した「京都お散歩ガイド」であるが、まあ満足のいく仕上がりになったと思っているし、この案内パンフのおかげで話もいろいろとすることができたので、よかったと思っている。ただ、まだまだだなあという気持ちもたくさんある。もっともっと今あるものを乗り越え、塗り替えしていかなければならないと思う。
そこで考えたのが、「マップセンス」と「デザインセンス」。
マップセンスは、地図としての機能の面での感覚。何を目印として置くかであったり、どうしたら迷わない地図にできるかといった感覚。たぶんこの感覚は、思いやりだったり、やさしさだったりそういう気持ちに通じるのではないかと思っている。そういった点で、マップデザインが雑誌や書籍のエディトリアルデザインにつながるところがあるのだと思う。
デザインセンスは、文字通りにデザインの感覚。いかにきれいに見せるかという感覚。僕は今まで、デザインというのは、芸術でないから「きれい」だとか「おしゃれ」だとか「かっこいい」「かわいい」ということだけを追求するものでないと思ってきた。今でもその気持ちは変わらないが、マップセンスということを切り離すと、デザインセンスは、それらを追求するものと定義できるのではないかと思った(もちろん芸術ではないので、実用性ということは常についてまわるが)。切り離して考えると、デザインセンスのほうは、自己の表現というものに通じるということができるのではないかと思う。
マップセンスとデザインセンス。他者(読者だったりユーザであったり)を思う気持ちと自己を表現すること。たぶん、その両方を上手に研ぎ澄ませていけば、マップデザインの力というものが強くなっていくのではないだろうか。と思う。